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『C’est la vie!』 ~エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督の舞台挨拶より~
- 2018/6/22
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- Le Sens de la Fête, ヴァンサン・マケーニュ, エリック・トレダノ, オリヴィエ・ナカシュ, ジャン=ピエール・バクリ, ジャン=ポール・ルーヴ, ジル・ルルーシュ, セラヴィ, フランス映画祭, フローラン・ダバディ, 矢田部吉彦
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現在横浜で開催されているフランス映画祭2018横浜のオープニング作品として、日本でも大ヒットとした『最強のふたり』監督コンビがおくるフランス大ヒット作品『セラヴィ!』(原題:LE SENS DE LA FÊTE)が上映されました。優しさと温かさとユーモアに溢れる上映に会場は大いに盛り上がりました。そして上映後にはスペシャルトークイベントが行われ、エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督が日本の映画ファンに沢山のメッセージを送って下さいました。
-エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ両監督が登壇!「あのー」で爆笑!!
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
温かく受け入れてくださいまして、本当に有難うございます。
〇司会:矢田部 吉彦氏
日本のお客さんの反応には満足いただけましたか?
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
本当にとても面白い、良い反応をしてくださいました。ちょうど私達が(食事から)上映会場に戻ってきた時に、観客の皆さんがすごく笑ってくださっていました。
それと、通訳の方の話を聞きながら「あのー」って日本語を習ってしまいました。
因みに、私の名前は「トレダの―」って名前なんです(笑)。ですので、通訳さんからは毎回も呼ばれているような気分になるんです。

エリック・トレダノ監督
とにかく本当に幸せです。フランス的な映画だと思っていますので、フランス人の映画を気に入ってくれるかな?と思っていました。
この映画をいろんな国で公開して、だから私達もいろんな国に行けて、こうやって皆さんの笑い声を聞くことが出来るわけです。結局は自分のことを語っていても、皆さんは分かってくれるんだなって、感じます。
-お客さんたちの「笑い」を見たくて
〇ゲスト:フローラン・ダバディ氏
(ブラック・タイを着用している)監督お二人の映画へのオマージュとして、私もパジャマで会場に来てしまいました(笑)。
<編集部より:パジャマではないです!おしゃれで素敵でした!!>
私は、20年間フランス映画を観てきたのですが、『最強のふたり』を日比谷シャンテで観た時は、日本の方々が何人かいたフランス人観光客と全く同じタイミングで笑っているのを観て、聞いて、本当に感動しました。今日もそんな感じでしたので、お二人のユーモアは万国共通で、響きあう魂のようでした。
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
共感していただいてほんとに感動しています。私たちの麻薬はお客さんの“笑い”なんです。皆さんが自分の人生から少し離れて、この時間を体験していただくというのは素晴らしいことだと思います。私たちも次回作を準備しているのですが、皆さんの笑顔を見たくて2日間だけの来日ですがやって来ました。
-パリで起きたテロ事件、これだけ涙を流したので一緒に笑いたいな
〇ダバディさん
数年前に起きたパリのテロ事件の直後に、お二人は“この作品を創る”という勇気を持たれたのですよね。また、映画のパンフレットの中に矢田部さんがコメントされているように移民と難民を描いた難しい映画でもあります。
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
私たちもとても心を痛めていました。でも、テロを起こした人たちが何を狙っていたのかと言えば、皆が意気消沈することや、ダンスをしたり歌ったりする文化・生活の場を狙ってきたんです。だから、私たちは絶対にしょんぼりとせず、グッと顔を天に向け、そしてこれだけ涙を流したので一緒に笑いたいな、という気持ちになりました。そしてまた、ポジティブに物事を考えたいんだ、そのためには今でもまだ社会の問題は続いているけれど、二人でいろんな人を集めて、一緒に何かをすることで乗り越えたいと思いました。社会ではすごく緊張があって、極右とか極左とか急進派なども台頭してくるのですが、それに対して私たちみんなで手を取り合って一緒にやって行けば何とか乗り越えられるんだ、ポジティブになれるんだということを伝えたかったのです。

© 2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE
-不機嫌な中年役がウェディング・プランナー!?
〇ダバディさん
小さな巨人といってもいいジャン=ピエール・バクリさんいついて教えて下さい
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
ほんとに素晴らしい俳優さんで、私たちはずっと彼と一緒に仕事をしたいと思っていました。提案を受け入れてくれて本当に幸せだと思っています。彼の場合、普通はこういう映画にはあまり出ませんし、別の感じの映画に出る方なんですが、凄く心を開いてくださいました。そして、違う感じの役を受け入れてくださったことをとても嬉しく思っています。

オリヴィエ・ナカシュ監督
〇矢田部さん
不機嫌な中年男を演じさせたら世界一なのですが、この不機嫌な中年男にウェディング・プランナーをさせようという創造のアイデアはどこから生まれたのでしょうか?
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
私たちが映画を創りたいと思いたった20年くらい前は、短編映画を制作するためにお金を稼がなければいけなかったんですね。それで、結婚式の裏方でアルバイトをしていました。そうした経験があったので、その後いろんな映画のテーマとして“チーム”すなわち“仕事をしているチーム”を撮りたいと思ったのです。もちろん映画を撮影中のチームを撮ることも出来たのですが、あの結婚式では表にいる人たちの感じていることと、裏方で働いている人たちの社会的な地位や結婚式に対する考え方とかにズレ感があったので、それを含めてコメディに合うな、と思って取り上げてみました。
-世界遺産での撮影という文化への寛容さ
〇矢田部さん
そもそも原題は『C’est la vie!』ではなくて、「Le Sens de la Fête」です。このタイトルは興味深いとのことですが、ダバディさん?
〇ダバディさん
この決まり文句を聞くと、フランス人が連想するのは“太陽”“ルイ14世”“ベルサイユ宮殿”です。お二人が選んだのはルイ13世が所有していた・・・
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
そうですね「クーランス」というルイ13世が所有していた屋敷なのでが、食事をする場所まで川がズーッと流れてきているので、“流れる”という意味で「クーランス」という名前がついています。家に帰るのが大変でしたので、このお城に4ヶ月住んでいました。なんとなく城主になった気分で、それも冒険でしたね。
〇ダバディさん
フランスの映画プロダクションが世界遺産であるこの場所を貸り切って映画が出来ました。実は二人の監督が泊まっていたなんて、(実現が難しいのに)ほんとに素晴らしいことですね。
改めて観客の皆さんにお二人からメッセージをいただけないでしょうか?
-フランスからは遠い国「日本」に来れた!
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
日本に来るという夢が本当に叶ったっていう感じがしています。日本からとても強い印象・感動を得ています。この映画をいろんな国々で紹介したのですが、やはり最も凄いなと思うのは、こうして(フランスからは)遠い日本で観てもらうということですね。多分、映画を作り始めた時にこんなことをいう人がいたら嘘つき呼ばわりされていたと思うのですが、それが現実になりました。それは私たちの仕事に対する報酬でもありますし、そういう風にまた日本に戻ってきたいなと思いますが、その時は「あのー」以外の言葉も覚えたいですね(笑)
〇矢田部さん
夢とおっしゃいましたが、こういうお城で結婚式をすることは夢のまた夢の話なのでしょうか?
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
幸いに、パリ近くにもこういうお城があって結婚式ができる所があるのですが、少しお金がかかります。ボンボンでなくては出来ませんし、誰でもというわけではありません。ピエールみたいな地位に居なければできないでしょうけれど、こういう結婚式ができるような所はあります。
-フランス国立劇団「コメディ・フランセーズ」
〇ダバディさん
因みに、悪者とされるピエールを演じるバンジャマン・ラヴェルヌさんは出演する15人の役者さんの中で唯一のエリート中のエリートのコメディ・フランセーズ(Comédie-Française:フランスの国立劇団)の出身です。
〇エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督
この映画自体がいろんな分野で活躍している方々を集めている映画であり、それもまたチャレンジだったのですが、コメディ・フランセーズ出身の本物のエリート俳優があんな役をやってくれるのはまた凄いし、素晴らしいことですね。

© 2017 QUAD+TEN / GAUMONT / TF1 FILMS PRODUCTION / PANACHE PRODUCTIONS / LA COMPAGNIE CINEMATOGRAPHIQUE
(写真の左がピエール役のバンジャマン・ラヴェルヌさん、右が主演マックス役のジャン=ピエール・バクリさん)
【司会&ゲスト】
※矢田部 吉彦氏:1966年フランス生まれ。銀行勤務、英仏駐在・留学を経て映画業界へ転職。東京国際映画祭プログラミングディレクター
※フローラン・ダバディ氏:フランス・パリ出身のキャスター、ジャーナリスト。1998年に来日し、映画雑誌「プレミア日本版」の編集者となり、またサッカー日本代表監督だったフィリップ・トルシエのアシスタントを務めた。
<予告編>
7/6(金)渋谷・シネクイントほか 全国ROADSHOW
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