
『Memories』『Dear Moon』
2本のショート・フィルム
ポスタービジュアル&9月公開決定!
1983年に『アイコ十六歳』で颯爽と商業映画デビューを果たし、少女の素顔を切り取った映画を数多く発表してきた今関あきよし監督は21世紀に入り、01年『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森』(ベラルーシ)、13年『クレヴァニ、愛のトンネル』(ウクライナ)、16年『ライカ/LAIKA』(ロシア)と旧ソ連で、そして2018年には『恋恋豆花』(台湾)と海外での映画撮影にこだわってきた。
しかし、海外での撮影が困難なこの時代に彼がみつけたものは、原点回帰とも言えるショート・フィルムであった。
それは約30分の間に起承転結の中から観客へ答えを提示するものではなく「音楽」、「映像」、そして詩を朗読するかの如き「台詞」により、観客自らが答えを探り出すというスタイルのもの。
それはまさに「映像詩」。
そんな新しいスタイルの映画作りに挑む原点となった2019年製作の『Memories』と、2020年製作の『Dear Moon』の9月公開が決定した。
『Memories』は、シルク・ドゥ・ソレイユのバイオリニストとして活躍していたポール・ラザーと『風の電話』(19年)、『タイトル、拒絶』(19年)にて第94回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞を受賞したモトーラ世理奈が主演し、鈴木聖奈、石綿日向子も出演している。テーマとしては「心の闇」が描かれており、ほとんどがモノクロで構成されたその映像は、その闇の深さを伺わせる。
『Dear Moon』は『Memories』とは対照的に、観る者が月夜に照らされた都会に吸い込まれるような圧倒的な映像で映画き、それはコッポラが製作をつとめたカルト・ドキュメンタリー『コヤニスカッティ』を彷彿とさせる。主演は第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞した『岸辺の旅』(黒沢清監督)しおり役でデビューの石井そら。
この度、ポスタービジュアルと、9月に下北沢トリウッドにて2本同時公開が決定し、『Dear Moon』の石井そらさん、今関あきよし監督よりコメントが届きました。
<石井そら コメント>
まだみんながマスクをしない生活をしていた頃、舞台の稽古をしていました。やっと掴んだチャンスでした。その後、世界が一変し、公演の中止が決定しました。学校も休校になる中、何か出来る事はないかと思い、今関監督のオーディションを受けました。この映画『Dear Moon』に出会い、私は今この瞬間にやりたいと思ったことをやると決めました。私の生きる目的はまだ何なのか分かりません。いつ無くなるか分からないこの日常。この一瞬一瞬を大切に生きていきたいと思います。今こんな世の中だからこそ皆で同じ月を見上げて心を一つにしたい!
<今関あきよし コメント>
映画は自由でいい。大先輩、大林宣彦監督の作品や言動の全てがそう伝えてくれている。アクション、ラブストーリーなどの劇映画、ドキュメンタリーさらに実験映画まで様々な表現形式がある。今回の二作品は既存の映画スタイルを超えて様々なチャレンジを試みている。『Memories』=《心の闇》を敢えてポジティブに表現。 『Dear Moon』=《コロナに覆われた世界》を淡い透き通るような月の光の中で描き出す。そんな新たな映像世界を定着させようとスタッフキャスト一丸となって走り抜けた撮影の日々を思う。さて、公開だ。一見、難解とも思えるこの映像世界をどう感じていただけるのか、本当に楽しみだ。
『Memories』
ポール・ラザー(Paul Lazar) モトーラ世理奈 鈴木聖奈 石綿日向子
監督:今関あきよし
企画・製作:龍信之介/嶋田豪
脚本:小林弘利
音楽監督・作曲・アレンジ:ポール・ラザー(Paul Lazar)
©2019『Memories』製作委員会
『Dear Moon』
石井そら 祈覆 原田親 長田涼子 村松和輝 久保宏貴 岡村洋一
原案・監督:今関あきよし
脚本:小林弘利
撮影・編集:三本木久城
演出補:いしかわ彰
音楽:「Dear Moon」skymarines and similarobjects/「Ice Calling」VJyou and Rina Kohmoto/「dot」柳ひろみ
©DearMoon2020
配給・宣伝:アイエス・フィールド
公式HP:www.is-field.com/memo_dear/
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