ポップカルチャーのアイコンとしての姿を描く、映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』

エリザベス 女王陛下の微笑み,画像
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【音楽に注目!新作レビュー】
映画『エリザベス 女王陛下の微笑み』

『ノッティングヒルの恋人』などで知られるロジャー・ミッシェル監督の遺作となったドキュメンタリー。「007」シリーズはもちろん、これまで映画・音楽などポップカルチャーのあらゆるところに登場してきた女王陛下だが、アーカイヴ映像を組み合わせることで彼女の知られざる一面を捉えようという今作の試みは、新たな撮影が困難となったコロナ禍だからこそ実現した企画と言えるだろう。

©Elizabeth Productions Limited 2021

オープニングの「開幕」からエンディングの「グッドナイト」まで、キーワードごとに細かく章立てされた構成に最初は驚かれるかもしれないが、膨大な資料映像を滑らかに組み合わせていくリズムに次第にハマっていくに違いない。

ナレーションを廃し、アーカイヴ映像そしてそのなかに登場する言葉と音楽のみで歴史を表現する演出は、あまりに大きな影響力と、その反対にある親しみやすさの双方をダイレクトに伝える。

©Elizabeth Productions Limited 2021

女王が立ち会った歴史的事件について、情緒を含めず、どこまでも軽やかに、そして客観的に追っている点もいい。そして、映画全体を漂う洒脱さは音楽の使い方についても言える。この作品でもフィーチャーされたトム・グレナン「Royal Highness」やザ・ビートルズ「ハー・マジェスティ」のように、女王はポップソングのなかで繰り返し恋愛の対象として登場し、アイコンとして愛されてきたことをあらためて確認することができる。そうした直接的に女王を取り上げたナンバーに加えて、マッドネス「アワ・ハウス」やモービーfeat.ミンディ・ジョーンズ「ヒーローズ」のような曲もパッチワークのように組み合わせ、女王の人生を祝福している。

文:駒井憲嗣

『エリザベス 女王陛下の微笑み』予告編映像

出演

エリザベス2世、フィリップ王配、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ジョージ王子、ダイアナ元妃、ザ・ビートルズ、ダニエル・クレイグ、マリリン・モンロー、ウィンストン・チャーチル ほか

監督

ロジャー・ミッシェル

製作:ケヴィン・ローダー
音楽:ジョージ・フェントン
2021年/イギリス/カラー/90分/英語/5.1ch/ビスタ
日本語字幕:佐藤恵子
字幕監修:多賀幹子
原題:Elizabeth: A Portrait in Part(s)
後援:ブリティッシュ・カウンシル
配給:STAR CHANNEL MOVIES
公式HP:elizabethmovie70.com
© Elizabeth Productions Limited 2021

6月17日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー

 

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