ループものの新機軸登場!映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

【音楽に注目!新作レビュー】
『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
繰り返される日常をSF的設定に落とし込む、という意味で“タイムループもの”はしばしば用いられる設定だ。
今作の劇中でも『ハッピー・デス・デイ』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』そして『恋はデジャ・ブ』といった“タイムループもの”について触れられているが、『MONDAYS』はそうした古典・傑作に敬意を表しながら、「会社組織がまるごとタイムループしていたらどうなるか」という設定に挑んでいる点が新鮮。
こうした“タイムループもの”には「人はなぜ同じ毎日を繰り返していかなければいけないのか」「そこから抜け出すにはどうしたらいいのか」なる哲学的な問いが隠されていることが少なくないが、今作も徹夜続きの職場という親近感を覚えずにいられないシチュエーションのなかで、人生の充実感と喜びはどこから生まれるのか、なんとも考えさせられる内容になっている。
最初は悩める広告代理店の社員である吉川を主軸で進んでいくのかと思いきや、途中からマキタスポーツ演じる社長の永久の物語に変わっていくというストーリー展開のひねりが効いていて、ラストには得も言われぬ爽快さとじんわりとした余韻が待ち受けている。

© CHOCOLATE Inc.
職場仲間がひとりずつタイムループしていることに気づいていくストーリーにリアリティを与えているのが、主人公・吉川の同僚・森山が熱を上げているという設定で登場するlyrical schoolと彼女たちが歌う主題歌の「WORLD’S END」。
物語と現実の境が曖昧になっていく、ストーリーとリンクした歌詞とともに聴き込んでみてほしい。
文:駒井憲嗣
予告編映像
映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』
出演キャスト:円井わん、マキタスポーツ、長村航希、三河悠冴、八木光太郎、髙野春樹、島田桃依、池田良、しゅはまはるみ
監督:竹林亮 脚本:夏生さえり・竹林亮
主題歌:lyrical school「WORLD’S END」(BOOTROCK Inc.)
配給:PARCO 企画・製作:CHOCOLATE Inc. 上映時間:82分
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公式サイト:https://mondays-cinema.com
Twitter:https://twitter.com/mondays_cinema
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