映画ログプラスがお届けする「映画館めぐり」Vol.3では、中野区内で唯一の映画館である「ポレポレ東中野」の大槻支配人にお話を伺いました。「ポレポレ東中野」は、2003年4月末に閉館した映画館の設備を大槻支配人が引き継ぎ、同年9月6日に開館しました。名前の由来は、オーナーで写真家・映画監督の本橋成一氏(ポレポレタイムス社)の命名によるもので、ポレポレとはスワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」という意味になります。

ポレポレ東中野

雰囲気のある内観

支配人の大槻さんは、アメリカの大学を卒業後(専攻は映画プロデュース)、専門学校で映像制作の講師を経て、1999年12月に下北沢に映画館・トリウッドを開館し、映画の世界に飛び込みました。これまでの上映作品で特に思い出に残っている作品を伺うと、2003年10月に公開した『赤目四十八滝心中未遂』(荒戸源次郎監督)という映画で、この時、映画館に「一夜城を建てる!」と言って、ビルの入り口から屋上まで、ありとあらゆる場所に黒の幟を立てた映画の宣伝が印象に残っているそうです。

映画館めぐりVol.3 『ポレポレ東中野』

ポレポレ東中野 大槻支配人

最近の映画でのお薦め作品は、昨年1月2日から上映している『人生フルーツ』で、昨年の秋に2ヶ月ほどお休みしたものの、その後再上映し、現在もまだ上映中です。(本年4月までは上映予定)

―人生フルーツ―

誰かを批判するわけでもなく、誰かに迷惑をかけるわけでもない。全ては自分が生きたいように生きる、ありのままの姿で生活する。そういう老夫婦の姿に共感が持て、清々しい気持ちになれる素敵な映画とのことです。

映画『人生フルーツ』予告動画キャストとあらすじやストーリーネタバレ「評判・レビュー」

映画『人生フルーツ』©東海テレビ放送

■ 映画『人生フルーツ』風と雑木林と建築家夫婦の物語
http://tokushu.eiga-log.com/movie/5682.html

―制作者側の「観せたい!」が大切―

ポレポレ東中野では、ドキュメンタリー映画の上映が多く、映画の選定に際してこだわりや基準があるのかお聞きすると、「特に明確な基準は無く、映画として(僕たちにとって)面白い事は当たり前で、それ以上に、制作者達が本当にお客さんに観せたいと思っているかどうかが大事」とのことです。最終的には直接お会いして、お話を聞いた上で上映作品を決めているそうです。

これから上映する多くの作品がお薦めと話す大槻支配人に来館されるお客様層について「地域の方に愛されている映画館という印象を受けます」と尋ねると、「データは取っていないのですが、どちらかというと、近隣の方よりも遠方からのお客様が多いような気がします。しかし、そう感じて頂けるのはとても嬉しいです。」と、おっしゃって下さいました。

―お客様に寄り添い、お客様と共に!―

インターネットでのチケット販売に話題が及ぶと、「10年先はわからない、だけど今のポレポレにはまだ必要ない」と話す大槻支配人。観たい映画だからこそ少し早く映画館に着き、チケットを購入するために並んで席を確保する。そういう姿が好ましい。インターネットを活用できない方もいるわけで、その公平性は大切にしているそうです。

「観客にとっても、映画にはそれだけの努力をする価値があるのです。ネットの機能一つで席を予約し、行くか行かないかはその時の気分次第。時代の流れはわかっていても、どうしてもそのシステムに違和感を感じてしまいます。それがいまだに窓口の対面式でチケットを販売している理由の一つでもあり、逆にいうと、だからこそ今まで東中野という立地で映画館を続けてこれたのかな」とお話してくれました。

ポレポレ東中野

客席1席あたりのスクリーン面積が日本で最も広い映画館

―映画ログ会員へのメッセージをお願いします―

「ドキュメンタリー映画というと敷居が高いと感じられる方もいるとは思いますが、力まずに普通にフラッと観に来て頂ければ嬉しいです」と語って頂きました。

―鑑賞前後に隣のカフェはいかが―

ポレポレ東中野(映画館)と同じビルの1階にある「space cafe ポレポレ坐」では映画の半券を見せると100円の割引を受けられます。メニューは実にシンプルで「ホットドッグ」と「キーマカレー」が食事のメインになります。

space cafe ポレポレ坐

space cafe ポレポレ坐

今回は店長に薦められて「キーマカレー(1,000円)」を頂いてきましたが、これが実に美味しかったです。辛すぎず、甘すぎず、それでいてスパイスの効いたまろやかな味と風味。副食としてセットの漬物がこれまた美味。

キーマカレー(1,000円)

もちろん食事以外にカフェやお酒もあるので、お好きな時間にお好きなメニューを楽しむことが出来ます。

※space cafe ポレポレ坐さんでは「共働学舎」ほか様々な団体と協力してメニューを提供しています。

・共働学舎ソーセージのホットドッグ 400円
・ザワークラウトのせホットドッグ  450円
・共働学舎ポークのキーマカレー   1,000円
(野菜の小皿つき)

オーナーである本橋さんが写真家ということもあり、店内には素敵な写真がたくさん!落ち着いた雰囲気で、ゆっくりとした時間を過ごすのにぴったりです。

■ space cafe ポレポレ坐 ホームページ
http://za.polepoletimes.jp/

住所:〒164-0003 東京都中野区東中野4-4-1
電話:03-3371-0088
アクセス:JR東中野駅から徒歩1分

―映画ログプラス編集部より―

ドキュメンタリー映画を上映することが多いポレポレ東中野様は、映画の選定に特別な思いを持っておられます。映画は人々の生活に大きな影響を与え、そして時には観る人の人生観を変えることさえあります。スワヒリ語で「ゆっくりゆっくり」という意味の「ポレポレ」。

多くの人が「ポレポレ東中野」で過ごす、ゆったりとした時間を楽しんで頂けたらと思います。また、映画ファンとしては、制作者の観せたいという想いが一杯詰まっている映画に出会えるなんて、とても幸せだと思います。そんな映画館作りをしている大槻支配人をこれからも応援しています!


取材:2018年3月13日(火)ポレポレ東中野支配人 大槻貴宏様


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